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二人の密会
第10章 本能
「別れたの、って聞いてくるよ」

「好きに返事すればいい」

「別れたって言えば、また紹介してくるよ。なんて言えばいいの?」

「今も続いてるって言えばいいんじゃないのか」

「嘘を付きたくないの。自分で苦しむ事になるから」

「間違ってブログ消したって。それからは作ってないって」

「よく次から次へと思いつくね。関心するよ」

「雌犬のブログに何の興味もない。どうせ恥ずかしい事は書いてないんだろ?」

「自分では書けない」

「写メや動画だけのブログを作って、新着に載るようにすれば、誰の躰か知らないうちに見て貰えるだろ。ただし、プロフィールには雌犬の事を載せる。例えば大阪在住の30代の主婦って感じだ。名前は仮名で本名でも面白いな」

「ダメ、絶対に。終わりになるよ」

「分かってる」

「ホントに? 貴方ならしそうだから怖いわ」

「言っただけだ。する訳ないだろ」

「私にも見れるようにしてよ。チェックするから」

「作ったら教える。って雌犬が作ればいいだろ」

「私、貴方程マメじゃないよ」

「そうだったな。メアド知ってる奴には直接送ってやるか。どうせ見たいって催促くるから」

「そこまでしなくても。見たいってきてからでいいわよ」

「あいつは雌犬の姿を見てオナッてるんだ。一時間でも遅れたら、未開封のメールが何通溜まってるか。一度受信拒否したら、それだけは止めてくれ、って言ってた、雌犬みたいに」

「貴方はMに対して物凄く冷たいよね」

「こいつだけだ。雌犬に対して冷たいと感じてるのか?」

「そう思う時があるわ」

「冷たい=嫌いではないぞ。あいつそれで感じてるんだ。メールが着たら抜くって待ってる。それを焦らしただけだ。嫌なら俺から離れればいいんだ。あいつには居心地がいいんだよ、そうだろ?」

「そうね」

「雌犬は居心地はいいのか?」

「毎回ハラハラさせられるけど…。逆にノーマルに一度だけ戻すとか」

「安心したいからだろ」

「新鮮かなぁって思っただけ」

「そうしたいなら、他の男とすればいい。俺は構わんよ」

「ほら、冷たい。どうして他の男って言うのよ」

「俺色に染まりたいって雌犬が言ったんだ。ノーマルは俺色じゃない。だからしたいなら他の男としろって言ったんだ」
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