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奈落の向こう側
第21章 ここに連れて来られた日からの記憶
亮君はしばらくの間、放置してくれました。

ようやく落ち着いてきたところで
亮「この紙に書いている文章を覚えて下さい」

手渡された文章を見ました。

『あなた、ごめんなさい。
実は私あなたに内緒で友達の借金の
保証人になっていたのです。
その友達は失踪しました。
金額はそれほど大した額ではなかったと
思っていましたがいつのまにか
とんでもない事になっていました。
とても普通では返せる金額ではありません。
だから、私はこの体で返すことに決めました。
あなたに相談しなかったことは
申し訳ないですが
こうするより他なかったのです。
そうしないと私だけではなく、
あなたの命にも関わるかも知れないのです。
手紙にも書きましたが
私の事が許せないのなら離婚して下さい。
私はいけない妻です。
決して許してもらおうとは思っていません。
離婚届を提出されても決して文句は言いません。
だから、私の事はもう忘れて下さい。
あなたはあなたの新しい人生を歩んで下さい』
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