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青い残り火
第8章 第8章
芽衣は二歩先を歩いた。
何度も読み返し、納得できる部分を探した。

傍目から見れば千紗が説明した通りなのだろう。そしてその通りなら、私も素直に喜べる……

"すぐそこにいるのに
手を伸ばせば届くのに"

違う
私と一馬は深く繋がってる
いつでも手が届く……

……あ……、それとも、忙しくてなかなか会えない今を思って書いたの?

芽衣の疑問が少しほどけた。

渋谷と何か話したのかもしれない
本当はもっとエッチしたいけど、妊娠の心配もあるし、私を大切に想ってじっと我慢しているのかも知れない

"俺に気付かないあなたが
歯がゆくて愛しい"

私と同じ気持ちだ

疑念が晴れてくると、心地よい答えが次々と浮かんでくる。

あの日のあなたって、私が告白した日の事だ
なかなか言い出せなかったから暫く二人で見つめあって……

それから芽衣は、今ひとつしっくりこない文章の違和感を、一馬の拙さのせいにした。

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