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最後の恋に花束を
第2章 高校一年の夏
「 学校同じ人?」
『 当たり〜。二年生の先輩 』
「 へぇ… すごいねぇこんな美人さん 」
そう言葉を返すと、満足げに笑う彼。人懐っこい性格なのだろうか。見た目も可愛らしいのに、男らしい雰囲気もありきっと歳上にも人気なんだろう… そんな風に考えていた。
『 なぁなぁ、連絡先教えてよ 』
「 へっ…!いきなりだね…!」
彼はアプリの画面を開き、QRコード読み取り画面にする。今流行りのアプリで持ってない人はいないだろう。私は自分のQRコードを開くと、彼にスマホを手渡した。
「 はい、どーぞ。」
『 おっ、サンキューな 』
慣れた手つきで登録を終えると、私のスマホを再び私の手元に返した。チラリと見える彼の指は、細く綺麗な指をしている。私の指は、墨汁でところどころ汚れていて思わず手を隠した。
『 名前、イチノセ・カナ?』
" 一ノ瀬可奈 " と本名で登録してあるその名前を、慣れない口調で読み上げる彼。私のスマホには " 青山遙 " という名前が、新しく友達登録されていた。
「 そう、一ノ瀬可奈。青山 … ハルカ? 」
『 大正解〜!よく読めました〜! 』
「 いやいや読めるよ… 」
呆れ半分笑いながらそんなやり取りをしていると、学校から最寄りの駅のバス停でバスは停車した。すると、他校の制服を着た男子生徒が乗ってきたかと思うと彼の横に腰かけた。