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最後の恋に花束を
第2章 高校一年の夏
『 おいおい、ナンパか?』
他校の制服を着た彼は、遙と知り合いなのか普通に声をかけた。遙の見た目とは真逆な塩顔の長身男子だ。
『 ちげーよ、何でだ。連れだって 』
『 彼女持ちのお前が、女連れてていいの?』
『 何だよ羨ましいんだろ〜 』
仲良さげに話し合う二人。見た目は真逆で、どうやら性格も真逆の様。彼女がいるなら女連れて歩くな、なんて会話をしている。
「 あっ、青山くん、良い人ですよね!」
会話に入れなかった私は塩顔男子にそう言った。
『 そうか?てか、君 多分俺と同い年なんだけど 』
敬語なんて辞めてくれよ、と照れ臭そうに彼は笑った。きっと一部の人からは、壮絶な人気がありそうな塩顔イケメン。照れ臭そうに笑う仕草はまさに、女心をくすぐる表情をしていた。
彼の名前は、ヒロ。
遙とヒロは幼馴染で昔から仲が良く、高校は離れてしまったものの二人でよく遊びに行くらしく、地元のほとんどの人が利用する主要駅に隣接するショッピングモールに行く事が日課になっている、ということだ。
今日もその予定で、バスに乗りあい、駅に向かうところだったらしい。
『 俺とも連絡先交換しようぜ?』
『 おっいいじゃん、お前彼女いないし 』
ヒロは彼女はいないらしく、茶化す遙に苦笑いしているようだった。私も遙の幼馴染ということで拒否することもなく、その日はヒロとも連絡先を交換した。