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最後の恋に花束を
第2章 高校一年の夏

ここで出会ったヒロが、後々恋人になる相手なんて思いもしなかった。そして " 青山遙 " とも、長い付き合いになるなんて、この時は私も彼も思っていなかっただろう。


『 じゃあね。』


私は駅へ、遙とヒロはショッピングモールに向かうということで、バスを降りた私たちは またね、と手を振って別れた。

私の通学経路は、自宅の最寄駅から3駅先の主要駅まで電車に揺られ、そのあと学校まではバスを利用していた。改札をくぐり、目的の電車に乗り込むとスマホが鳴った。


( 青山くんからだ … )

連絡先を交換してから、まだやり取りをしていなかったので少しドキドキしながらその通知を開く。

" また俺らとも遊ぼうぜ! "

その文章と共に、ヒロが有名店のアイスを食べている姿の写真が送られてきた。その写真に思わず ふっと笑みが溢れる。はじめて連絡を取って写真を送ってくれる人は、そういない。面白い人たちと出会えたのかな、なんて期待してしまう。


よくよく見ると、ヒロの後ろの鏡に遙の姿が映っているのがわかった。遙に寄り添っている人の姿も見てとれた。

それは、遙が自慢げに写真を見せてくれた彼女の姿だった。

その姿を見た瞬間、何故だか。


なぜだか。少しだけ。


自分の胸が締め付けられる気がした…

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