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最後の恋に花束を
第2章 高校一年の夏

その日以降、週に2日ほど彼等と同じバスで帰宅していた。少しずつ仲良くなり始めた私たちは、学校帰りに3人で喫茶店に立ち寄った。


『 今日はユミちゃん来ねーの?』

『 おー 』


いつも通り適当な返事をする遙。この調子には慣れたもんだ。ヒロが口にしたユミとは、遙の彼女のことだった。

店に入った私達は四人がけのテーブル席に案内され、遙とヒロが隣同士に座ると向かいに私一人が腰掛けた。


「 彼女さんどうしたの? 」

『 ん?こないだの試験で赤点取ったんだと 』

『 あー。補講か。』

『 そそ。あいつバカだからさー 』


ケラケラと笑う遙。先日校内の試験が終わったところだった。


「 二年生の補講者、結構多いみたいだよねぇ 」

『 そそ、ユミもそのひとり。』

『 遙は頭イイもんな〜 』


注文したアイスカフェラテが3人分届くと、遙とヒロは同じタイミングでストローを口にした。


『 えっ、てかお前らもそれ頼んだの?!』

「 いまさら〜?」


同じものがテーブルに揃っているその様子に驚いた遙は可笑しそうに笑っている。本当に彼はよく笑う。それにつられて、周りの人間も笑うからきっと人気者なのだろう。


「 ところでさ、青山くん、勉強できるの?」

『 おー、まぁそれなりに?』

『 見た目不真面目そうなのにな〜 』

『 いやね、俺はね、とりあえずはデキル人間なのよ 』


得意げにそう言う遙。いつだって、彼は鼻高さんだ。けれど、彼から続けて出た言葉がまるで自分を馬鹿にするような言葉だった。

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