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最後の恋に花束を
第2章 高校一年の夏
『 でもやり込まないからさ 』
『 ホント、それな。』
その言葉に大きく頷くヒロ。きっとヒロは遙の事をなんでも知っているのだろう。理解できなかった私は少しだけ首を傾げた。
『 初めっから、ある程度のヒトより出来る自信はあんの 』
『 けどそれ以上やらないから、伸びないのコイツ 』
「 ふぅん…?」
『 そ。だから教師にもよく言われる 』
「 なんて?」
『 やればもっと出来るのに何でやらないんだって 』
そう自分自身を侮辱するかのように笑いながら言う遙。それに続けて、興味の無いことなんてそこまでやりたくねーよなー なんて呟く。
「 センスがあるのか…!」
理解力の乏しい私は、思ったことを口走る。すると遙は私の顔をキョトンとした顔で見る。
『 そゆことかな?あざーっす 』
そういうと、ニコニコと笑いながら彼の唇は再びストローを加えた。平凡に日々を楽しんでいるような彼。それでも劣勢になる事はなくて、少しだけ羨ましく感じた。