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最後の恋に花束を
第2章 高校一年の夏

『 そういえばさ、夏休みにそこで写真展があんだよ 』

その言葉を聞いた瞬間ドキッとした。
それは地域の写真家が主催する、毎年夏に開かれる写真展のことだ。写真部の私は、もちろんその写真展のことも知っていた。


「 それ、知ってる。私 写真部だから 」

『 え?そうなの?撮るの?』


私の一言に遙は前のめりになって食いついてくる。


「 いや、私は撮らない…写真が好きでマネージャーみたいな感じ… 」


少しだけ苦笑いしながらそう答える。正直、写真を撮る事は苦手で。けれど写真が好きで写真部に入った。主に私が部活動として力を入れていたのは書道部の方だった。


『 なんだ、撮んねーのかよー 』

『 その写真展にコイツの作品も展示されるんだってよ 』

「 ……っえ? 」


ヒロの言葉に私は驚いた。写真好きは写真部の部員でしか知らなくて、ましてやこんな見た目の彼が、写真家だなんて。


『 そーなんすよー 照れるなぁー 』

「 まだ何も言ってない…けど 」


はやまった遙のその反応に、少しだけ笑みが溢れる。


「 … 写真撮るんだ 」

『 おうよ、だから見に来いよ 』

「 もちろんっ… 見に行く!」


驚きよりも少しずつ嬉しさが込み上げてきた。彼と私に共通点など存在しないと思っていたし、それに写真好きな友達はなかなか居なかったからだ。


そして 夏休み


私は 初めて 彼の作品と出会う。

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