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エメラルドの鎮魂歌
第3章 禁断の愛の果実
ワルツの練習はそれっきりになった。
和葉はその日以来、八雲に出会うと貌を強張らせ、無言で立ち去るようになった。

…仕方がない。
まだ十五歳の少年に酷い言葉を吐いたのだから。

けれど八雲は本当のことは言わなかった。
…言えなかったのだ。

八雲は和葉を憎んでいる。
激しく憎んでいる。
瑞葉が本来享受すべき立場、待遇、そして溢れるような愛情を彼が独り占めしていることを。
和葉には罪はない。
それも承知している。
しかし、それでも尚、和葉を憎まなくてはならなかったのだ。
…瑞葉のために…。

ひとえに、瑞葉のために…。
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