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郁と悠(もうひとつの物語)
第3章 葛藤
『明日、お姉としたい?』
『うん!したい(はーと)』
『じゃあ、ベッドをキレイにしておくように!』
『了解しました!(敬礼)』
『ついでにお風呂もキレイに!』
『了解!裸で待ってまーす!』
『バカ弟(はあと)おやすみ(はあと)』
僕は郁の顔を見ました。郁はもう、顔が上気していました。

「お兄…悠としてきていい?」
「ちゃんと、ゴムして…」
「うん…お兄、心配しないで!」
郁が僕のモノを口に含みました。モノが大きくなった僕は、郁を抱き寄せました。

「待って!お兄も着けて…」
そう言うとベッドの下から、郁がゴムを取り出しました。僕の不安と興奮をよそに、郁は何度もイッていました。

翌日、僕は郁と一緒に出かけ、駅で別れました。そして郁は日中を悠と過ごすと夜、いつものように一緒に帰るため、駅で待ち合わせました。

「あれ、どうしたの郁、その髪?」
「ちょっと恥ずかしいけど…どう?」
郁はセミロングから、ショートボブに変身していました。それは悠の好みのスタイルでした。

自宅までのバスの中、郁は無言でした。僕も話すきっかけがなく、郁の隣に無言で座っていました。それでも郁は、僕の手を握って微笑んでいました。バスを降り、マンションのエントランスに入ると、郁はやっと口を開きました。

「似合う?変じゃない、この髪型?」
「うん、カワイイよ…小学生みたいで!」
「えー、やっぱり!」
僕の冗談に、郁は本気でへこんでいました。おかしくて、僕は思わず笑っていました。

「嘘だよ!高校生には見えるよ!」
「意地悪お兄!」
郁はいつもの郁に戻っていました。僕は敢えてその日の出来事を話題にせず、いつものようにふたりで夕食を摂りました。そして順番に風呂に入り、いつものようにベッドに入りました。

「お兄、今日聞かないの…?」
「聞きたいよ、郁の秘密…」
「じゃあ、聞いて…」
ベッドの中で、郁がその日の出来事を話し始めました。

「今日ね、ずっとデートしてたの…」
「デート?」
「うん…だから郁、悠の部屋に行ってない」
「してないの?」
郁が頷きました。ベッドの中で、僕に抱きついていました。

「悠が言わなかったから、部屋に行こうって…」
「郁はしたくなかった?」
「したかったよ…でも、デートも楽しかった」
その日のデートを、郁が話してくれました。
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