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第8章 glace

────もう一度考えてみます、と言いながら、俊太はそれからずっと迷っていた。

菓子作りのメッカのパリで、有名なお店で、一流の人たちから学べるものの大きさ……。
とてつもなく幸運で、とてつもないチャンスだということは、莉乃にだってわかるくらい明白なのに。


それからというもの、俊太は、いつでも莉乃に触れているようになった。

甘えん坊の子犬みたいに……。

そして、あの文化祭の日……、
俊太はパリへは行かないと言った……。