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ズルい彼
第2章 変わる関係
親友の菜奈にそれを伝えるのは、それから1ヶ月後の7月のこと。


お祭り会場で、かき氷を2人で頬張っているときだった。


「…ちょっと、え?なにそれ?」

菜奈は色々信じられないという顔をしている。



私と菜奈は中学からの親友で、お互いのいろんなことを話し合ってきた。


だから、長年優太に私が片思いをしていることも知っていた。
優太が結構遊び人であると忠告していたのも菜奈だし、それでも応援していてくれた。


菜奈は年上のお姉さんがいて、彼女と3人でお泊りをしてはお姉さんから男性に関するアレコレを聞いていた。


菜奈も一個上の先輩と高校1年生からお付き合いをしているので、それなりの経験はある。


「麻耶、私ね?優太はなんだかんだ麻耶が好きなんだと思ってたの。ホント。」


だけど…


「めっちゃクソ野郎じゃん!確かに麻耶がそんな格好してたのも驚きだし、ちょっと引いたけど!」


「引いたんだ、菜奈。」


「や、結構びっくりしたの!!そんな大胆なことするなんて知らなかったし!だけど、内心2人は両思いなんだって確信していたからさ。やるじゃんっ!って気持ちもある。」


菜奈は基本的に思ったことをストレートに伝えてくるので、それが良いところであり私の好きなところだ。


「ありがとう〜。だけど、幼馴染でいたいんだって。家族で居たいんだってさ!」
私は笑いながら言う。


そうじゃないと、本当は、こんな賑やかな場所でも大泣きしてしまうから。



菜奈は食べかけのかき氷を椅子に置いて、私を抱きしめてきた。


「…そんなクソ野郎に青春捧げるの勿体ないよ。もうヤメなよ麻耶。」


気付くと、菜奈が泣いている。


「なんで菜奈が泣くの〜!仕方ないじゃん!私も、そばを離れるの無理だしさ。お隣だし…。あれからもう手は出してこないし、私も、そういう露出の多い格好も、二人きりの密室も避けてるしさ。」 


改めて、自分がどれだけ男を理解していなかったか、幼稚だったかを思い知らされた。


「女子バスケのみーたんが、また違う女と優太が歩いてるの見たって言ってたよ。ほんと、ヤリチンじゃん。顔がイケメンでちょっとバスケ上手いからって調子に乗りすぎでしょ。」


優太の教室に行くのをやめると、ついに別れたと周りが騒ぎ出して群がる女子の数が増えた。


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