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ズルい彼
第2章 変わる関係
お祭り会場からの帰り道に、土砂降りの雨が降ってきて、家につく頃には全身ずぶ濡れになっていた。


「折りたたみ傘、入れればよかった。こんな小さいポーチじゃスマホと財布くらいしか入らないし…。」


もう濡れてるからいいやと開き直り、あともう少しで我が家に到着しようとする時に


「おい麻耶!お前びしょ濡れじゃん!!うちの中に入れよ!」と、後ろから急に手を引かれた。


優太だった。傘をさしていて私をすぐさまその中に入れる。


「優太!!…家隣なんだから、大丈夫だよ!」


慌てて彼から離れるけど


「直ぐに風呂沸かしてやるから!いいから、早く入れ!」と、本当に心配した口ぶりだったので


そこまで言うなら…と、優太の家にお邪魔させてもらうことした。


玄関に入ると
「ちょっと待ってろ。」と、急いで洗面所からバスタオルを持ってきて私に被せる。


「10分位ですぐ沸くからさ、とりあえずそれ脱いで俺の服着てろ。服洗濯して、後で渡すから。今部屋から服持ってくる。」


「お母さんみたい。」


私は、優太が慌ただしく面倒を見てくれることが面白くて、思わず笑ってしまった。


すると


「良かった。」
と優太は笑う。


「え?」
思わず彼をみる。


「俺があんなことをしたから、もうダメかと思った。」

優太は少し悲しそうに笑う。


「誘ってきたとはいえ衝動的に、押し倒してさ。どんなツラで会えば良いんだって悩んだ。麻耶は普通にしてくれてたけど、なんか気まずくて…。」

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