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ズルい彼
第2章 変わる関係
「母さんから、連絡きててさ。今日ホントはたこ焼きにするつもりだったらしい。」 

二人でキッチンに向かい、優太は冷蔵庫から、タコやネギ、紅生姜などテキパキと取り出す。


「棚の上のホットプレート取れる?」

と、言われて食器棚の上にあるホットプレートを取り出そうとすると


「あぁ、ごめん。俺取るわ。」


と、後ろからバックハグのような体勢になりながら、優太はホットプレートを降ろす。


体が密着して、ドキドキしてしまう。


「何赤くなってんの?さてはさっきのキスで俺にメロメロだなぁ?」と、優太がふざけて言うので


「うるさいうるさーい!!」

と、胸をポカポカ叩く。


そして、2人でケラケラ笑った。


さっきまであんなに深刻な感じだったのに、あっという間にいつもの関係に戻る。


優太は私や家族の前ではなかなかのお調子者だ。


普段は静かでクールにしてるのに、身内になると可愛い笑顔も見せる。


そういうところも、私は好きだ。


二人で、材料を用意し、ホットプレートにたこ焼きのプレートを付けて焼き始める。


ジュワ〜という香ばしい匂いや音にウットリしてると、



「ただいま〜!」と、玄関から声が聞こえてきた。


「佳織さんじゃない?」

「え?姉ちゃん?今日帰ってくるなんて聞いてないけど。」


パタパタッと、スリッパの音がリビングに届き


優太の姉である大学生の佳織さんが


「あ!麻耶じゃん!来てたの〜?たこ焼き良いねぇ!」と、言いながらダイニングテーブルにきて椅子に座る。


「かおさん、お久しぶりです!」
と、いうと


「3ヶ月ぶりかな?今年、一人暮らし始めてからなかなか帰ってこれてなかったからさ〜!びっくりしたよ!向かう途中で雨すごくなったから!もういいやってタクシー乗ってきた!」

ケラケラと楽しそうに笑いながら話す。


「来るならくるって、連絡くれりゃいいじゃん。」
と、優太が言うと


「そこはサプラーイズじゃない?」
と、天真爛漫な笑顔で言う。


佳織さんはいつもニコニコ明るくて、天使のようだ。


「ってかさ、ちょっと待って?え?麻耶さ、かおの部屋に一緒にいこ!」

と、手を引っ張られて2階に向かう。


扉をバンと閉めて、佳織さんはクローゼットやタンスから色々取り出す。






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