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ズルい彼
第1章 幼馴染の優太
確かに、誘ったのは私。


だって、長年優太が好きだったから。


少女漫画なら、ここで


「俺も麻耶がずっと好きだった。付き合おう。」ってなるのかもしれないけど、現実はそんなに甘くない。


気付いたら、目から涙が溢れる。


「泣くなよ~。麻耶のこと傷つけたかったわけじゃないんだからさ。大事なんだよ。」
優太は、いつも私の頭を優しく撫でる。


「だって無理でしょ。そんな格好して毎回誘われたらさ~。男というものを知らなすぎ。麻耶は可愛いし、スタイルも悪くない。他のやつにもモテるんだからさ、俺なんかヤメなよ。」


優しく諭すように、優太は私をあやす。


バカじゃないの。モテるわけないでしょ。あんたと違うんだから。


俺なんかヤメなよって。散々胸を揉みしだいたあんたに言われたくないよ。


可愛いって、キスしてきたじゃんか。



涙は止まらない。



「ごめん、もうこんなことしないからさ、許して。俺のそばにいて。ずっと家族でいてほしいんだよ麻耶。」


優太は優しく抱きしめる。


ズルいよそんなの。


「…バカ優太。」
と、呟くと



「…バカでズルいんだ俺。」と、呟く。


私の涙が枯れるまで、しばらく二人で抱き合った。



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