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エリート妻色情飼育
第7章 第二部 企み 第六章 社長室
結婚式からさかのぼること数ヶ月前。

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20●2年2月5日 PM 3:30


「オヤジはいるかい・・・?」
社長室の前室になっている秘書室の扉を開けて入ってきた悟に、主席秘書の伊藤裕子は戸惑った声を出した。

「い、今・・接客中ですが・・・」
何時もながらノックもせずに入って来る専務に対して、眉を潜める表情で咎めるのだが瞳は笑っていた。

「接客ぅ?嘘つけっ・・・」
イタズラな目で言う悟に、裕子は思わず表情を崩しながらも声を潜めた。

「でもっ・・取り込み中です・・・」
秘書の思わせぶりな顔に、悟は呆れた声を出した。

「好きだな、オヤジも・・・。
とに角、オヤジから呼ばれたんだ。
早く通してくれ・・・」

悟の言葉に、ため息をついた裕子は仕方なさそうにインターホンのスイッチを押した。

「社長、専務がお見えですが・・・」
スピーカー越しに幸造のアクの強い声が聞こえてきた。

「うん、通してええで。
もう、用は済んださかいにな・・・」

肩をすくめる裕子に片目を閉じた悟が微笑んでいると社長室の扉が開き、化粧の濃い若い女が秘書の制服である紺色のスーツの襟を正しながら足早に過ぎ去っていった。

「し、失礼します・・・」
首筋まで顔を真っ赤にして走っていく様を見届けた二人は、再び目を合わすとニヤリと笑った。

幸造の秘書は何人もいるが、裕子を含めて全て若くて美人ばかりであった。

尤も回転も速く、入社して半年もいない。

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