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エリート妻色情飼育
第28章 第二十五章 犠牲
「ゆ、裕子さん・・・」
春香の口から愛おしい名が零れる。

同時に言いようの無い怒りが込上げてくる。
愛する人が犯されようとしている。

社長である幸造に。
春香の頭は怒りで爆発しそうであった。

自分の普段の淫行を棚に上げて行おうとしている幸造の残虐な仕打ちに、信じられない思いを抱いていた。
やはり、下司な男だった。

最初から裕子の事を狙っていたのだ。
気品があって優秀な秘書を、自分の物にしようと考えていたのだろう。

でもなければ二人の事を泳がせ、ビデオに撮る等という卑劣な行為が出来る筈もない。
優しいおじ様と信頼していたのに、その正体は残忍なケダモノだったのだ。

春香のために自分の身体を楯にしてくれた裕子を、蹂躙しようとしている。

※※※※※※※※※※※※※※※

「おネェさま・・・」
そっと呟いてみた。

禁断の営みの中で何度もそう呼んだ。
二度と口に出さないつもりだったのに。

すると春香の心の中に、新たな想いが芽生え出していくのを感じた。

そう、今ハッキリとわかったのだ。
裕子を愛していると。

無理に倒錯の世界に引き込まれた春香であったが、ビデオで観た自分は幸せそうだった。
裕子の愛撫に感じていたのだ。

『春香・・可愛い子・・・大好きよ』
裕子の囁きが、熱い吐息が、耳元に残っている。

『んふふふ・・あなたは私の奴隷・・・。
ペットになるのよ・・春香・・・』

執拗に調教された。

繊細で強烈な愛撫の嵐の中で、春香は身も心も裕子に絡めとられていたのだ。
しかし婚約者の井上の事を考えると、悩み苦しむ春香だった。

変態のレズ。
幸造が言った通りである。

不条理な関係を終わらせる事ばかり考えていたが、自分の身体を犠牲にしてまで救おうとする裕子を目の当たりにして、急速に気持ちが変わっていくのを感じていた。

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