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亜紀と蓮
第1章 プロローグ
「亜紀さん、想像よりずっと背が高いですね」
「よく言われますけど170もないです。縮んでなければ167センチです」
「それにおしゃれです」
「えー、ユニクロも高いから今はほとんどGUですよ」
そう笑いながら話す亜紀さんに僕の目的を伝えた。よければ写真のモデルになって欲しいこと、決して悪用するわけはないことを我ながら必死で話していた。
「私なんかでよければ…」
少しだけはにかみながら亜紀さんはあっさり承諾してくれた。直接会うアボの前に僕自身の簡単なプロフィールと写真作品をメールで送っていた。僕は風景と女性を組み合わせた抒情的な写真を得意としていた。
「素敵な写真でしたから」
亜紀さんはOKしてくれた理由をそう一言だけ伝えてくれた。僕が早速撮影のお願いしてみると、亜紀さんは素直に応じてくれた。ちかくの公園に早咲きの桜がチラホラ花を開いていた。そして桜の木をバックに30分ほど亜紀さんを撮るとその日は地下鉄の駅で別れた。その夜撮影した写真をメールで送るとすぐに返信があった。
『素敵な写真、ありがとうございます。息子がすごく感心しています』そう簡潔に綴られたメールに僕はホッとしていた。そしてすぐに次の撮影の約束を取り付けた。ただ、息子の蓮君も一緒に来ることが条件だった。僕はなにか下心を見透かされた気がしたが、断る理由がなかった。
撮影場所に現れた蓮君は雑誌の写真の通り、背の高いイケメンだった。そして謙虚な性格で、決して撮影の邪魔をすることもなかった。僕は最初、亜紀さんだけを撮っていたが蓮君も一緒に撮影したくなった。それほどふたりの間にはお互いを思いやる、とてもいい雰囲気が漂っていた。僕はそんなふたりを題材にもっと抒情的な写真を撮りたいと思い始めた。
そしてふたりが新たな生活を始めるため、僕に協力を求めてきた。2年近くの付き合いの中、僕はふたりを月1のペースで撮影をしていた。その間に亜紀さんは39歳になり、蓮君は20歳を迎えていた。そして亜紀さんと仲良くなる以上に、僕は蓮君と仲良くなった。亜紀さんは看護師で大きな病院に勤めていた。蓮君は高校を卒業すると看護大学に通っていた。蓮君には夢があり、それは海外で看護師として働くことだった。
「よく言われますけど170もないです。縮んでなければ167センチです」
「それにおしゃれです」
「えー、ユニクロも高いから今はほとんどGUですよ」
そう笑いながら話す亜紀さんに僕の目的を伝えた。よければ写真のモデルになって欲しいこと、決して悪用するわけはないことを我ながら必死で話していた。
「私なんかでよければ…」
少しだけはにかみながら亜紀さんはあっさり承諾してくれた。直接会うアボの前に僕自身の簡単なプロフィールと写真作品をメールで送っていた。僕は風景と女性を組み合わせた抒情的な写真を得意としていた。
「素敵な写真でしたから」
亜紀さんはOKしてくれた理由をそう一言だけ伝えてくれた。僕が早速撮影のお願いしてみると、亜紀さんは素直に応じてくれた。ちかくの公園に早咲きの桜がチラホラ花を開いていた。そして桜の木をバックに30分ほど亜紀さんを撮るとその日は地下鉄の駅で別れた。その夜撮影した写真をメールで送るとすぐに返信があった。
『素敵な写真、ありがとうございます。息子がすごく感心しています』そう簡潔に綴られたメールに僕はホッとしていた。そしてすぐに次の撮影の約束を取り付けた。ただ、息子の蓮君も一緒に来ることが条件だった。僕はなにか下心を見透かされた気がしたが、断る理由がなかった。
撮影場所に現れた蓮君は雑誌の写真の通り、背の高いイケメンだった。そして謙虚な性格で、決して撮影の邪魔をすることもなかった。僕は最初、亜紀さんだけを撮っていたが蓮君も一緒に撮影したくなった。それほどふたりの間にはお互いを思いやる、とてもいい雰囲気が漂っていた。僕はそんなふたりを題材にもっと抒情的な写真を撮りたいと思い始めた。
そしてふたりが新たな生活を始めるため、僕に協力を求めてきた。2年近くの付き合いの中、僕はふたりを月1のペースで撮影をしていた。その間に亜紀さんは39歳になり、蓮君は20歳を迎えていた。そして亜紀さんと仲良くなる以上に、僕は蓮君と仲良くなった。亜紀さんは看護師で大きな病院に勤めていた。蓮君は高校を卒業すると看護大学に通っていた。蓮君には夢があり、それは海外で看護師として働くことだった。