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亜紀と蓮
第1章 プロローグ
場面はショッピングセンターに変わり、蓮君が手を振って歩いてくる。休憩所のソファに座った亜紀さんが蓮君に気付き、満面の笑みで手を振りかえした。互いがスマホで撮った映像を挟みながら、ふたり仲良く買い物をするシーンが続く。亜紀さんが腕を伸ばした自撮りの映像は、ふたりが顔を寄せ合いながらショッピングセンターの駐車場を歩いていた。
今度は蓮君が車を運転し、その姿を亜紀さんが写していた。時々カメラにはにかんだ笑顔を向けながら、蓮君は端正な横顔でハンドルを握っていた。そして車は自宅アパートの駐車場に着くと、ふたりは手を繋いで部屋に歩いて行った。その間、近所らしきお爺さんとふたりは会話を交わしていた。
「いつも仲良いね、おふたりはw」
「はいw」
蓮君が自撮りしていた画面は夕焼けの空に変わり、亜紀さんの弾んだ声だけが聞こえていた。次の瞬間、空は下から撮った蓮君の笑顔に変わっていた。
「ご主人若いけど、お似合いのご夫婦だね」
「ありがとうございます」
お爺さんの声に今度は蓮君が答えた。そしてふたりは会釈して部屋に帰って行った。
「夫婦だってw」
真っ暗な画面の中で亜紀さんの声が聞こえた。次の瞬間、画面がパッと明るくなり全裸の亜紀さんが現れた。画面はスっと亜紀さんのアップになり、スッピンの笑顔が全面に広がった。
「ねえ蓮くんっ!」
「なに…?」
画面の中の亜紀さんは母の顔と女の顔が交った、何とも言えない美しさがあった。そして2本の大きな白い上の前歯が、亜紀さんの笑顔の口元から覗いていた。端正で色気のある亜紀さんにすこしだけ不釣り合いな前歯が、小動物のような幼さと無邪気さを表していた。僕はまた興奮とともに亜紀さんに恋していた。
今度は蓮君が車を運転し、その姿を亜紀さんが写していた。時々カメラにはにかんだ笑顔を向けながら、蓮君は端正な横顔でハンドルを握っていた。そして車は自宅アパートの駐車場に着くと、ふたりは手を繋いで部屋に歩いて行った。その間、近所らしきお爺さんとふたりは会話を交わしていた。
「いつも仲良いね、おふたりはw」
「はいw」
蓮君が自撮りしていた画面は夕焼けの空に変わり、亜紀さんの弾んだ声だけが聞こえていた。次の瞬間、空は下から撮った蓮君の笑顔に変わっていた。
「ご主人若いけど、お似合いのご夫婦だね」
「ありがとうございます」
お爺さんの声に今度は蓮君が答えた。そしてふたりは会釈して部屋に帰って行った。
「夫婦だってw」
真っ暗な画面の中で亜紀さんの声が聞こえた。次の瞬間、画面がパッと明るくなり全裸の亜紀さんが現れた。画面はスっと亜紀さんのアップになり、スッピンの笑顔が全面に広がった。
「ねえ蓮くんっ!」
「なに…?」
画面の中の亜紀さんは母の顔と女の顔が交った、何とも言えない美しさがあった。そして2本の大きな白い上の前歯が、亜紀さんの笑顔の口元から覗いていた。端正で色気のある亜紀さんにすこしだけ不釣り合いな前歯が、小動物のような幼さと無邪気さを表していた。僕はまた興奮とともに亜紀さんに恋していた。