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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第25章 涼子〜娘の家庭教師
二人だけの密会。

その日、人妻は朝から一人、緊張を高めていた。

「ママ、どうしたの?」

1泊で卒業旅行に出かけるという娘、紗絵。

朝、家を出る娘は、母親の様子が普段と違うことを見抜いていた。

「ママも出かけるの? 何だかそわそわして」

「そうかしら・・・。別に用事はないけど」

「何となくいつもと違う気がするなあ」

「気のせいよ。そんなことより、忘れ物ないの?」

玄関先でバッグを持った紗絵は、楽しげな笑みを浮かべて言った。

「あ〜あ、ほんとはクラスメートなんかじゃなくて、優斗先生と卒業旅行に行きたかったんだけどなあ」

娘の言葉に、涼子は一瞬顔をこわばらせ、しかしすぐに笑みを浮かべる。

「バカなこと言ってないで。ほら、遅れるわよ」

「じゃあ、行ってくるね」

大学に合格してから、娘は冗談っぽくではあるが、彼への思いを度々口にするようになった。

今朝のさりげない彼女の言葉が、涼子の緊張を更に高めていく。

夫も今夜は出張で不在だ。

二人のために用意されたような夜に、人妻は彼を招待することにした。

どこで会えばいいのかしら。

優斗の望みを受け入れた後、涼子はしばらくの間、一人、迷い続けた。

どこかホテルを・・・、駄目、誰かに目撃されてしまったら・・・。

「涼子、何やってるの、こんなところで?」

果穂に遭遇してしまう妄想が、涼子に決断を迫る。

やっぱり自宅に招待して・・・。

でも・・・。

人妻は、寝室のダブルベッドのことを思い出した。

まさか、そこに優斗くんを・・・。

最後に夫に抱かれたのは、いったいいつのことだっただろう。

いつしか、夫婦の間からそんな感情は消え失せ、乾いた関係だけが存在している。

42歳になった人妻、涼子。

女性としての悦びを、もう男性に与えられることもないまま、残りの人生を歩んでいくのかしら。

それでもいいわ・・・。

そんな風に達観していた人妻は、今、思いがけない展開に肢体を熱くしている。

彼がやってくるのは午後5時の予定だ。

いつも以上に部屋を綺麗にし、彼に精一杯の料理を用意してあげる。

それでもなお、涼子は迷い続けた。

いったい私、どんな服を着て彼を・・・。

時間は瞬く間に過ぎ去った。

「こんにちは」

午後5時。

ふだんと全く同じ雰囲気で、彼は人妻が待つ家にやってきた。
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