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want to be ...
第8章 葛藤






あの頃、再び女の子達を抱くようになったお兄ちゃんに対してあたしは、少しだけ可哀想だな、という気持ちを抱いていた。


毎日のように違う女の子を抱いてるってことはお兄ちゃん、振られたってことだよね。


お兄ちゃんを振る人なんているんだなぁ。


お兄ちゃんがその子の家に告白しに行ってる時は毎日笑顔だったし、あたしに大好物のチーズケーキ買ってきてくれるくらい幸せそうだったのに、今は目に見えて元気ないし、空っぽって感じだな。


相手の女の子、どうして両思いなのにお兄ちゃんのこと振ったのかな、意味分かんない。


お兄ちゃんと同じことしちゃってるじゃん。


どういう理由で振ったのか、お兄ちゃん教えてくれなかったから分かんないけど…


たぶんもうその2人が付き合うことはないだろうな。


…と、勝手に想像していた。


当時、今はもう有り得ないんだけど暁くんのことが好きだったあたしは、毎日ちょくちょく訪れるラブハプニングに一喜一憂してて幸せだったから尚更、辛い思いをしてるだろうお兄ちゃんが可哀想になっていた。


…相手の女の子が優奈ちゃんだということも知らず。


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