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incest
第1章 親愛なる兄貴へ
優人の放った毒が今頃効き始めたみたい。


「愛情、優しさ、痛くないセックス。」


そういうのは快楽を経由しない。
和義はそれに似たものを持っていただけで、私はそれに似たものを愛するふりをしただけ。



優人という媒体を通して私の身体に映る剥き出しの欲望と快楽。
それは私自身を鏡で映しているようなもので。



わかってたはずなのに。
拒んで、目を背けて。




痛かった、苦しかった、やめて欲しかった、優しくして欲しかった、ぎゅって抱きしめて欲しかった、終わったあとも話をして欲しかった、好きだって言って欲しかった、愛してるって言って欲しかった。








なんて?











「ほら、やっぱり俺の言った通りだろ。」





余裕しゃくしゃくで笑う、私の身体の上に存在する優人に、無理難題を押し付けて。
嫌になって、自分を嫌悪して。
そういうのって。



「ほら、やっぱり俺がいいんだろ?挿れたら素直になるんだからよ。ほんと、わかんねーやつ。」




ムダ、って、世間では言うんじゃない?





「そんなに締めつけんなよ。むかしっから変わんねぇよなおまえ。濡れてねぇとこに突っ込まれんのが好きだろ?知ってんだぜ、ぜんぶ。やめてって嫌がるふりするのが好きなんだろ?俺のことで悩む自分が好きなんだろ?苦しんでる自分が好きなんだろ?なぁ、そうなんだろ?」





だって私、優人に抱かれてる時だけ、生きてるんだもん。
優人の前で女になるときにだけ、生きてるって、思えるんだもん。
だって。




「痛いほうが好きだろ?血が出たほうがいいだろ?そうしたら、身体がここにあるって思えるんだろ?なぁ、そうなんだろ?」






快楽は本心と直結しているのだから、仕方ないことでしょ?





「そうよ。私のこと、ぜんぶ知ってたんだね。」



背中に腕を回して、自分と相手の体温を実感する。



「優人兄ちゃん、大好きだよ。」
「俺だって。」
「優人兄ちゃんのする、セックスが大好きだよ。」
「なんだよ俺のことじゃないのかよ。」
「じゃあ優人兄ちゃんは私のどこが好きなの?」

優人の笑い声と、私の身体が透明になる、快感。
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