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秘蜜に濡れて
第10章 suger&spice
撥春の視線が、あいりの意識を嫌でも高めてしまう。

ちりちりと疼きだす一番深いところ。

掻き消すために水を飲む。

「あいり、渡したいものがあるんだ」

背後から紙袋を取り出す。

「何ですか?」

「開けてみて?」

得意げな笑みを浮かべる撥春の前で封を開けて取り出したそれはキーカバーが付いたキーホルダーだった。

金色のタッセルと、チェーンに付いたハート、クローバー、プレゼントの箱のチャーム。

「可愛い…」

キーカバーを持ち上げるとそこには本物の鍵が付いていた。

「この鍵って…」

「うん、ここの鍵、いつでも来れるように」

驚きと喜びと、あいりは満面の笑顔を見せた。

「っ!ありがとうございます」

大事そうに頬にあてるあいり。

「しばらく…会えなくなるから」

「これがあれば大丈夫です、それに…月曜日、有給取っちゃいました」

「マジで?」

頷くあいり。

鞄にそれを付けるとあいりの頬は緩みっぱなしだった。

「あいり、鍵ばっかり見てないで」

「はい」

そう答えるものの、視線はキーホルダーを見ている。

「ね、わかってる?」

「え?」

「勃ってるよ、ここ、さっきから」

そう言って撥春はパジャマの上からもはっきり主張している乳首に触れた。
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