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てのひらのなか
第1章 1.
 長いトレーナーの袖に隠れていた華奢な手のひらが徹也に手を振った拍子に袖口から現れ、その白く細長い指先を見るとマリアの透き通るように白くて真っ直ぐな脚を思い出し徹也の方が恥ずかしくなってしまった。


 あの子昨日のこと、本当に何も思ってないんだ。
 


 せっかく手を振ってくれたのに徹也は自分のやましさがバレたような気がして愛想の欠片もなく目線を逸らし、以後マリアのほうを決して見ず健太と他愛もない会話を続けつつ学校に向かったのだった。
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