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BLACK WOLF~crime~
第8章 雨ノ夜
ハルちゃんは昔から優しいけど、妙に頑固なところもある。

1度言い出したら聞かない性格だ。

小さい頃から一緒に育った幼馴染みだからハルちゃんの性格は誰よりもわかってる。

私が毛布を使わない限り納得しないだろう。

ハルちゃんの隣に潜り込んだが、とうのハルちゃんは何故かあたふたしてる。

「お前…、何考えてんだよ…」

「大丈夫だって!ハルちゃんのイビキも寝相の悪さも知ってるよ!小さい頃からそうだったじゃん!」

小さい頃はよく私の実家の縁側でよく昼寝をした。

お昼御飯を食べて遊び回って、疲れ果てた後に虫や鳥の鳴き声を聞きながら…。

「ガキの頃と今とじゃいろいろ違うだろ…」

「何が?ハルちゃんは随分大きくなっちゃったけどね」

「……うるせぇ」

そう言ってハルちゃんは私に背中を向けてしまった。


…あ、怒っちゃったかな。

でも、こうやってハルちゃんと並んで眠るのなんて何年振りだろう。

こんな状況だけど、何だか懐かしい。

あの頃は小さく見えたハルちゃんの背中が物凄く大きく見えた。

こんな時間に熟睡なんて出来ないけど、寝転ぶ事によってここ最近の疲れが少しだけ楽になったように感じた。

「はぁ…、眠れねぇよ…」

「え?…まだ足が痛むの?」

「……これじゃ拷問じゃねぇか…」

「?」




ザァザァと降り続く雨。

薄い1枚の毛布だけだけど、寒さはさっきより幾分マシに感じた。

それにすぐ隣にはハルちゃんの体温を感じる。

あったかい…。

眠るつもりなんかなかったのに、ハルちゃんの体温に安心した私はどうやらそのまま眠ってしまったらしい。














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