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BLACK WOLF~crime~
第10章 最後ノ恋
バレるかも知れないこんな状況なのに、愛しい人に触れられるということが

こんなにも気持ちいいなんて。

そして、私の事をこんなにも、余裕を忘れるぐらいに想ってくれてるのが嬉しい…。

いつもは余裕たっぷりで私を抱いてる黒埼さんなのに

こんな表情、見たことない…。


「桜木さんの前では…、あんなに余裕たっぷりだったのに…」



そう。

桜木さんの前で余裕気味に答えていたあの言葉。

"何度でも奪い返せばいい"という、黒埼さんにしか吐けないような台詞を投げつけたのに。

あの黒埼さんと今の黒埼さんが同一人物とは思えない。


「…ふざけろ。あの時はお前にもしもの事があったらと…、心配でパソコンから目が離せなかった。お陰で見たくないものまで見ちまった…」


私がハルちゃんと桜木さんにムリヤリ…。

目を離せなかった…、見たくないものまで見たってことは、やっぱり黒埼さんは全部見てたんだ。

でも、それでも黒埼さんは余裕気味に…


「好きな女が別の男に触れられてるのを見せられて余裕を持てる男なんているわけねぇだろ…っ。怯んだ姿を見せたら漬け込まれると思って咄嗟に冷静を装っただけで…」

「……え?…じゃあ…」


あの余裕の笑みは?

あの余裕たっぷりの発言は…?





「2人共殺してやろうかと思った…。気が狂うかと思ったよっ!
そうじゃなきゃ、拳銃なんて持ち出さねぇよっ!!」





黒埼さんの指がググッと私の良いところを刺激して来る。




「ひぅ…あぁぁぁっ!!」

一層激しい声が病室に響く。

もう、誰かにバレるとかここは病室だというモラルとか、そんなものは消え失せてしまった。

「あんっ、あ…っ、こ、声が…」



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