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刑事とJK
第95章 近所のおじさん




由紀はご近所さんの家の前まできた



中をそっと覗くと、
なるほど、引っ越ししたてな感じがプンプン伝わってくる



たくさん積まれたダンボール箱や、家具、そして若干きれいな家


(ちなみに山田さんは、前にここに住んでたおじいさん。
ついこの前、亡くなっちゃったんだ)






「…すいませーん」





こんな広い敷地で、こんな乏しい声量が響くわけがない



それはわかってはいるが、それ以上大きな声で家の人を呼ぶ気は起こらなかった






…野菜置いて、さっさと帰ろう





そう思った瞬間、背後から


「どうかしたのかな?」




「うぎゃああああぁあ!!!!」




突然の声に、つい悲鳴を上げてしまった


そんなあたしを見て、声をかけてきた男は笑った





「驚かせてごめんよ、で、君は?」




「そ、そういうおじさんこそ…!!」



「あ、ああ、ああ、僕は岩崎啓太っていうんだ。
今日からここに住むことになってね」




岩崎というおじさんは、ニコニコとして…
まあ人付き合いは良さそうだ



「…はい」



由紀は岩崎に箱ごと野菜を渡した



「…くれるの?」



「お母さんが持ってけって言うから、
そんだけ」


由紀は野菜を渡し終えると、帰ろうと体の向きを変えた



「せっかくだし、何か食べていきなよ」




はあ?




「こんなにおいしそうな…ねえ!!」




いやいや、あたし、いっつも食べてるから




「…用事あるんで、帰りま…」

と言うあたしを無視し、おじさんはあたしを庭に入れた




ひぃ~、強姦される~!!!






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