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刑事とJK
第95章 近所のおじさん




おじさんは、ダンボールの中のトマトを取り出して
水で洗ってあたしに渡した




「どうぞ」


「…どうも」



うちで取れたトマトなんですけど…!?



あたしはトマトを受け取り、そのままかじった



そこそこおいしい




「で、君は?」



「1番近所に住んでるの。稲葉って家」



「稲葉さん家か、よろしくね。稲葉…―――」




「…由紀」




「由紀ちゃん。
野菜届けてくれてありがとうって、お母さんに伝えといて」



おじさんは優しそうに微笑む



けれどあたしは、そんなめんどくさいことはしない



親に自分から喋るとか、ない





「おじさん、どこから来たの?」



あ、さっさと帰ろうと思ってたのに
何聞いてんだあたし…



「僕は…その辺を転々としていたよ」



…あまり聞かない方が良かった?





「一人で来たの?」



「ああ、そうだよ」



「結婚、してないの?」




「したよ。
でも妻は何年も前に死んでしまってね…」



ふいに笑顔に影が落ちた





「…、子供は?」




「一人いるよ。
ついこの前に、訳あってさよならしたばっかりだ」



「子供さんからバイバイしてきたの?」



「いいや…僕からさよならしたよ」



「…」



親から…子供を離れていった…?



「じゃあ、あたしとは反対だね」


「?」



「あたしはさっさと、こんな田舎とはさよならしたいもん。
でも親はあたしを離さない」



「…なんでさよならしたいの?」




「だって、こんなとこ終わってるじゃん。
ほそぼそと暮らして、死んでいくなんて絶対嫌だし
都会に出て、時代の流れに乗りたいんだよ」




「…君いくつ?」



「18、高3」



「…娘と、同い年だね」



おじさんはつらそうな表情を見せた









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