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刑事とJK
第33章 V S






「…ゆうひは、もう帰ってろ」


『…うん』




言われた通りにすることしか出来ず
ゆうひは出ていった













ああ、悔しい…


こんなにも悔しいことがあるだろうか


斉藤のためにと頑張っていたものが、
逆に心配させてしまうなんて…






あたしは…斉藤の役には立てないんだね…







ゆっくりと階段を下りていく


ゆっくり


ゆっくり


一歩一歩を踏み締めながら…











下から足音が聞こえた





手すりの隙間から下を覗き込むと、
なんと本郷ではないか




『やばっ…』




出張中じゃなかったの…?



今、二課室には斉藤がいるのに
見つかったら怪しまれちゃう…!!




ゆうひは全速力でもう一度階段を上り、
二課室の扉を開けた



斉藤は驚いて振り向く




「なっ…帰れっつったじゃ…」



『本郷が戻ってくる…!!』




「!!?」



斉藤は調べていた書類をもとの位置に戻す暇も無く、
部屋を飛び出した





ゆうひも一緒に逃げようと思ったが、立ち止まった



「何やってんだ!?」



『斉藤は早く行って!!』





ゆうひは急いで部屋に入り、扉を閉めた


「おい、ゆう…!!」



その時、向こうから人影が見えた


本郷だ






しまった…





斉藤は、いかにもたった今その場を
通り過ぎたかのように歩いた





本郷とすれ違う





「いつになったら、
あの部屋は空くんだね?」



「空かねぇっすよ、
ってか、渡さねぇ」




本郷はフンと鼻で笑い、
二課室に入って行った





それを確認すると斉藤は急いで引き返し、
扉に耳を当てた









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