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刑事とJK
第44章 あたしがあなたを好きなんだ



斉藤はよろけて壁に背をついた



『斉藤!!』


ゆうひは慌てて斉藤のそばに寄った



「南さん!!
何するんですか!?」



飛鳥がそう叫ぶが南の耳には入らず…


「斉藤、やっぱあの時の続きをしよう…
ほんとムカつくから」



「はっ、理由になってねぇってんだ」



斉藤はゆうひを後ろに下げた




『斉藤…ケンカなんて、ダメだよ』


「あっちがやる気満々なんだから、
しゃーねぇだろ」





「南さん、やめてっ
何でいきなり…!!」



飛鳥は南の腕を引っ張ったが、
南は構わず前に出る



斉藤も、南の前に立った



そしてお互いの右腕が伸び、
お互いの顔に一撃



「の野郎!!!」


「クソがあ!!!」



そしてまた、ひどいケンカが始まってしまった


6年前のような…





「二人ともやめてよ!!」


『斉藤!!』




飛鳥もゆうひも必死に叫ぶが、
二人の拳が止まることはない




「お前のせいで…!!
お前のせいでぇ!!」



「頭いっちまったのかよ!!
ぶっ倒して目ぇ覚まさせてやらあ!!」




バキッ ドカッ


という耳を塞ぎたくなるような音が廊下に響く




「なんだなんだ?」
「あれ斉藤と南じゃないか?」


と人が集まってくる




「ゆうひちゃん、何してんだ?
こいつら」


藤野がゆうひに話し掛けた



『藤野さん、わかんないですよ!!
止めてくださいよ!!』



「あんな中に飛び込んだらこっちが殺されるよ。
それに、ケンカするほど仲がいいって言うだろ?」


はははと藤野は笑う



『笑い事じゃないですよ!!』




「どうしようゆうひさん…
止めなきゃ…」



『飛鳥さん…』




その時、斉藤の腹にモロに蹴りが入った



「んぐっ…!!」



斉藤は思わず膝をついた



『斉藤ぉ!!』




ゆうひは堪らず飛び出して
斉藤を抱きしめた






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