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第44章 あたしがあなたを好きなんだ

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『あぁあ…ほっぺ腫れてるし、
口から血出てる』



「こんなもんすぐ治る」


『意地張るな』




ゆうひはタオルを水で冷やし
斉藤の顔に当てた



『飛鳥さんと南さん、上手くいったかな？』



「村上妹も、物好きだよなー
あんな奴のどこに惚れたんだか」



『あんたが嫌いなだけじゃん』




「まあな。
…にしても南の奴、
弥生弥生ってうるさかったくせに、
結局ちゃっちゃと村上妹に乗り換えやがって…」




『きっと…寂しかったんだよ。
誰でもいいから、支えになるような人が欲しかったのかもね』







「誰でもいいから…か…」







オレは…そんなふうに考えらんねぇな



斉藤はゆうひの顔をじっと見た






『…何？』


「いや、別に…」



斉藤は目を逸らす





『何よ
言ってみてよ』




「…やっぱオレは、
人を不幸にすんのかなー…？」




どうでもよさそうな言い方だったが、

ゆうひはそれを聞いて悲しくなった





『南さんに言われたこと気にしてんの…？』




「まあ…認めたくねぇけど、
否定は出来ねぇかなって思ってよ」



『馬鹿か!!!』



「へ…？」



『他人を不幸にする人間なんているわけないじゃん!!
不幸だと思うのは、
自分で不幸だと思い込んじゃうからでしょ!?』




「…ぉぅ…」



斉藤の返事は小さかった




『少なくとも、あたしはあんたがいてくれて…幸せだよ？』



だからそんな、

自分は疫病神、

みたいな言い方しないでよ…






「オレ、も…幸…せだぞ？///」





斉藤の喋り方のぎこちなさときたら…



『…くす///』



「な、何で笑うんだよ…？」



『ううん、何でもないよっ』



ゆうひは斉藤の頭にタオルを乗せた