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刑事とJK
第50章 魔物


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ズル…















『…?
何か音しなかった?』




「へ?
別に何も…」






部屋の屋根は、
枝を重ねて作られている




だから昼間は、
太陽の光がちらちらと部屋に注ぎ込まれる




その太陽の光が




一瞬遮られた






『…雲?』




「何が?」















ズル…















『ほら、また音が…』



「聞こえた気もするけど…」








部屋の入口には、

簾(すだれ)のようなものが掛けてあり




その下から人の足が見えた





『あ、村の人だ』






その瞬間、


簾の下から覗いていた足は消えた





「え」




消えたと言うより


空に昇って見えた







『…なに…?』






ドサ


ゴロゴロゴロ…





と、村の人が持っていたのであろう
籠と果物が地面に落ちて転がった






その後に



ボタタタタタタタ…




と水が落ちる音





『雨…じゃないよね…』






屋根に落ちた"水"は



枝の隙間をゆっくり垂れ落ち






部屋の中にポタポタと音を立てた












『…あか…い…?』





その瞬間、外から悲鳴が聞こえた






寒気が二人の間を駆け抜けた




まさか、そんな、とは思うが






外に出て



真実を知る勇気はない







ただ、

本能的に息を殺し



身動きひとつ取らなかった







動いてしまえば








"食われる"













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