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刑事とJK
第56章 夢




「ど、どうしたの!?」



『へ?』



その時初めて
自分が泣いていることに気がついた



『え、あれ、なんでだろ…?』



笑いながら涙を拭う



しかし、涙は止まろうとしない




『やだ…なんでも、ないです、
何であたし…泣いて…』







体にトンと、何かが当たった



ぼやけた目で見てみると、
犬たちがゆうひを見上げていた





…あんたらまで


あたしを気遣かってくれるの…?






ゆうひの腕は犬たちを包み込んだ





『ありがと…ありがと、ありがとぉ…
優しい子たちなんだね…』













―――――――――――







『今日は、ありがとうございました』



ゆうひは施設から出て、
ペコッと頭を下げて挨拶した



「いいえ、またいつでもどうぞ」



『…あの…ひとつ聞いてもいいですか…?』




「はい」




『この仕事に就くには、
何か資格とかいりますか?』




「そうですねー…
いるところもありますが、うちでは資格無しでも、
そこそこの知識としっかりした意識があれば働けますよ?」




ゆうひの顔がほころんだ




「働き…たいですか?」




『はい!!
あたしここで働きたいです!!
どうしたらいいですか!?』



「…じゃあ
ちょっと待っといてください」




女性は一旦施設内に戻り、
数冊の本を持って出てきた




「どうぞ」



『?』




「これを読んでまずは勉強してください。
自分に力がついたと思えるくらいになったら
また来て下さい」




『…はい!!!』













充分にお礼を言って、
去り際に名前を聞いた




益田(マスダ)さん



っていうらしい




ゆうひも自分の名前を伝え、
最後にもう一度お礼を言ってから帰った













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