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刑事とJK
第63章 第一歩


――――――――――







一週間経った



「やっと見つけた」



斉藤は駅から一人、歩いた



辺りにはのどかな
田園風景が広がっている




高い建物も何もなく、
民家がぽつぽつと建っていた




日差しは暑いが、
時折吹く風が気持ち良い







斉藤はある一軒家の前で足を止めた








「どーも」






斉藤の声に、庭で畑仕事をしていた男が振り向いた





「あ、君は…」



男は立ち上がった






「久しぶりだね、斉藤君。
よく僕の居場所を見つけたね」




にこりと笑った男は



岩崎啓太――丹羽啓太――で、
ゆうひの実の父親だ




「何の用かな?」




「届けもん」




斉藤は岩崎に手紙を渡した



「…これは…」



岩崎は手紙に目を通した



うっすら、その目を涙が伝う





「ゆうひが…そうか…そうか…」




「じゃあ…そんだけだ」




斉藤は帰ろうとしたが、
岩崎は引き止めた






「少し青いけど、イチゴが取れたんだ
食べていかないかい?」





…イチゴ…




「…んじゃ、ちょっとだけ」




ついつい岩崎に乗せられて、
斉藤は軒下に腰を下ろした




岩崎は、
自分の家で取れたイチゴを適当に皿に入れ、
斉藤に出した



「いただきます」



斉藤はひとつ口にほうり込んだ




…うめぇ…



イチゴ好きにはたまらない甘さだ














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