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刑事とJK
第65章 トムおじさんの正体





『…斉藤』




「おぅ、どこ行ってたんだ?
トイレか?」



『…は?』






トイレ…?




何それ、無神経にもほどがあんじゃないの…?







『腹立つ』



「へ?」






その時、ゆうひの後ろにいたトムが
斉藤の背中を押して草陰に入って行った




「斉藤様、ちょっとすいませ~ん」




「?」





トムは、あの陽気な雰囲気は
微塵も感じさせないほど低い声で、
斉藤の耳元で呟いた





「自分の女から目を離すな」



「!!?」





――――この声は…!!!





いや、まさか…








「ってことで~す、
後でお嫁さんに謝っときましょうねー」





また、陽気な感じに戻った







「…オッサン、もしかして…」




「早くごめんなさいしましょーう」




トムは無理矢理斉藤を
ゆうひの前に連れて来させた





「…」



『…』





謝るって…何を?






「何で怒ってんだ?」



『気づけっつの』



「…わかんねぇし…
ってか怒りてぇのはこっちだ」




『はぁ?
なんでよ?』




「おめぇ、三宅の男とばっかし
喋ってたじゃねぇかよ」




『それは…』





斉藤があたしを見てくれないから、
わざとそうしたんだよ…





『で、でも、斉藤だって
細川さんとか、舞さんとかと
ずっと仲良さそうに喋ってたじゃん』





「それはおめぇが…
オレを見てなかったから…」




『え?』




「…悔しくって…おめぇが…
ヤキ、モチ、焼くかなぁって…思って…///」



斉藤は俯いた






『…え、つまり…』




お互いにお互いを、
ヤキモチ焼かせようとしてたってこと?















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