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刑事とJK
第69章 敵に塩を送る


―――――――――――





清隆は、歩いていた



その背中に背負っているものは、
今までどんなときも一緒だったギター




朝のこの時間帯は、
通勤ラッシュを越えた辺りだ




人通りの多い中
清隆は立ち止まって、ギターを構えた




…路上ライブ…久しぶり




心臓を打つ音が、
次第にテンポを上げていく




清隆は、大きく息を吸った








―――――これだけあなたに贈りたい


これだけだから

その小さな耳を傾けておくれ



僕は馬鹿だったんだ


あなたを手放したんだ


どこかで繋がってる気がしたから
安心してその手を放してしまったんだ




僕が言いたいことわかるでしょ


ずっとずっとずっと



愛してるよ――――――














人の流れは、途絶えない



しかしその中で、
一つだけ流れに逆らった石があった



石は、宝石のように輝いて見えた







「飛鳥…?」




よく目を凝らしてみると、
それは飛鳥ではなかった






飛鳥ではない女は


パチパチと手を叩いた





「歌、良かったよ」




「…舞…」





清隆の歌を聞いていたのは、
三宅舞…いや、遠藤舞(エンドウ マイ)だった











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