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他人の妻、親友の夫
第6章 超える一線
その指は甘えるように彼の脚を撫でていく。
擽ったく、焦れったい動きだった。
されるがままの志歩では考えられない蠱惑的な動きに、愚かしい屹立は抑えられなかった。

手のひらは太ももから腰、腰から腹へと蠢き、そこからゆっくりと降りてくる。
へそを下り、股間を擦った。
毒の触手かと思うほど、身体は痺れを感じる。

細い指の先端を揃え、そのかたちをなぞるように指が動かされた。

海晴は眉間にしわを寄せ、気を逸らすように窓の外に視線を流す。

行き交う人達は二階の窓から景色を眺める彼になど気も留めていない。
それでも往来の人を意識せずにはいられなかった。
人目を浴びて快楽を味わう理依の気持ちがほんの少しだけ分かった気がした。

そんな海晴の心の揺らぎを嗅ぎ取ったのか、理依は彼の浴衣の隙間から手を侵入させてきた。
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