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他人の妻、親友の夫
第2章 欲望の渇き
足音がテントの前で止まる。

「どうぞ。入って」
「嫌ッ!! 来ないでッ!!」

悪夢以外のなにものでもなかった。
恐怖で志歩は身体中の毛が逆立つ。

テントのジッパーが遠慮がちに上げられる。

夜風がふわりと隙間から吹き込み、テント内の熱気を揺らした。

「志歩っ……」

海晴は手にした懐中電灯で妻の顔を照らした。
眩しくて思わず目を閉じる。
その顔が快楽に溺れた顔に似てしまう。

「見ないでッ!!」

慌てた志歩は弄られている不貞の局所を隠す。
そんなとこを隠したところでなんの意味もない。
その姿は余計に卑猥に見えてしまう。

「海晴さん……ちゃんと奥さん可愛がってあげてますか? こんなによがっちゃってますよ」
「そんなことないっ……ひっ……ああっ!!」

海晴の後ろには理依も立っていた。
彼女の視線は隠されたその一点に注がれている。
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