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第2章 欲望の渇き

なんとか動けるうちに海晴を射精させたい。
その焦りが余計に志歩の動きを雑にさせてしまう。

ことを急いては遠退いてしまうのが性戯の難しさである。
舌の動きは速いだけで単調になり、時おり歯も当たってしまう。

「痛っ……志歩、落ち着けっ……」

痛さで海晴は顔を歪めてしまう。
普段なら自分の非を詫びるほどに寛容な志歩だが、今はそんな余裕がなかった。
先輩のフェラチオと自分のそれを比較された気分になり、暗澹たる気持ちに陥る。

「落ち着いて……」

二人にしか聞こえないほどの小さな声で、秋彦が耳許で囁く。
それは先ほどまでの意地悪な声とは違う、普段通りの優しく品のある秋彦の声だった。

気を取り直し志歩は夫の芯棍に指を添える。

若干萎えてしまっていたが、焦らずに優しく手首をしならせていく。