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戦国×ミュージック
第2章 アイドル養成☆shima'z事務所
『アイドル沖田畷の戦い』
1584年、『肥前の熊』と呼ばれた龍造寺隆信は、島津家と対峙する。島津が寡兵と見た隆信は猛攻するが、それは島津の巧妙な罠だった。誘い出された隆信は、潜んでいた島津兵に囲まれ、討ち取られてしまった。この『沖田畷の戦い』で島津が仕掛けた策を『釣り野伏せ』と呼ぶ。
「島津め、これほど広いコンサートホールに、家久一人とは……この隆信が、ホールを乗っ取りライブを開いてくれる! 今日からワシは、Kmap(クマップ)だぁ!」
「甘いね、龍造寺! 照明さん、ライトアップ! 出でよ、兄ちゃん!」
「おうよ家久! 義弘参上!」
「舞台の袖から、島津の次男だと! はっ、まさか……この真ん中の奈落にも、伏兵が!?」
「よく分かったね、舞台装置オン! 飛び出せ、兄ちゃん!」
「呼んだか家久! 歳久見参!」
「なんて事だ……初めは一人、段々メンバーが集合し、最後は皆でダンスパフォーマンス! くそ……なんてカッコいい演出だ!」
「ん? 全員は揃わないよ。義久兄ちゃん、今日は事務所で作詞活動してるから」
「来いよ! あいつ長男だろうがー!!」
沖田畷の戦いの大将は、長男の義久ではなく四男の家久。お兄ちゃんはお家でお留守番。晩年、家康に武功話をせがまれた義久は「弟が全部やってくれて、俺は何もしてません」と話した逸話があります。それを聞いた家康は「任せられる弟がいるって羨ましい」と思ったとか。
ちなみに別パターンで「大事な戦には出てるくせに、何もしてないとか胡散臭い」という家康の反応もあるとか。事実、九州探題である大友家との戦いでは、重い腰を上げている。