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続・捨て犬
第13章 なぁ、どっちだよ
風呂から出ると
エミはケーキを
テーブルに置き

俺はいつものように
エミを
後ろから抱きしめた


そして
ロウソクに火をつけ

電気を消す



「エミ、消していいよ」



「ふぅ〜〜……」



エミが火を吹き消すと

部屋は

闇に包まれた



「エミ、こっち向いて」



俺は

真っ暗なまま

エミの頬に触れ

そして

くちづけをした




あぁ・・・

全く一年前と同じ



違うことと言ったら


エミの携帯に
新しいストラップが
追加されていることだけ




相変わらず
狭い部屋で

2人


まるで
この世に
2人しか
いないみたいに


2人きり



エミも
ひとり



俺も
ひとり



でも



寂しくない






「カズマ・・・」




「ん?」




「プレゼントがあるの」




知ってるよ

台所の
下の扉の中に
隠してただろ?




「ほんとに?」



「うん」



「そんなの
いつ準備してたんだよ~」



エミは
両手を口もとにあてて
クスクスと笑った



「びっくりした?」




「あぁ

早く、見せてくれよ」





「うんっ」




そう言って
エミは
俺の腕のなかから
スルリと抜け出し

小走りで
台所へと向かった


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