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続・捨て犬
第16章 いくつ?

「カズマくん・・」
「・・・はい・・」
「おばさんのこと
信頼できる?」
・・え?
ちょっと
驚いて
顔を上げると
おばさんは
珍しく真剣な顔で
俺を見つめていた
「も、もちろんです
俺は・・・
すみません
ほんと勝手なんだけど
勝手に
萩原のおじさんと
おばさんのこと
親のように
思ってきました
何も
相談するわけじゃねーけど
でも
両親いなくなってから
ずっと
心のどっかで
ずっと頼りにしてて
だから
だから・・」
くそ・・
なんて
言っていいのか
分かんねぇ・・
「ありがとうね
じゃあ
ひとつだけ
聞いてもいい?」
「は、はい・・」
「エミちゃん・・
・・ほんとは」
おばさんが
そこまで言うと
奥から
萩原が顔を出した
「なんだおめ~
昨日会ったばっか
だろーが
何しに来てんだぁ?」
「あ、あぁ
ちょっと用あって
なんだ
二日酔いか?」
萩原は
ひでー顔をしていた
「あぁ
商店街のおっさんらの
襲撃にあった
かぁちゃん
俺にもコーヒーくれよ」
「はいはい
仕方ないわねぇ
ほんとに」
おばさんは
俺との話を切り上げ
奥へと姿を消すと
萩原が
俺の側に寄ってきて
耳元で囁いた
「言うなよ
まだ言うな」
「・・う、うん・」
そして萩原は
おばさんの後を追って
奥へと姿を消してしまったんだ

