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続・捨て犬
第19章 最終章③・・・本性

覗き穴の向こうには
苛立つ萩原が立っていた


「うるせー!
今開けるから静かにしろ!」

ガチャ

「カズマ、お前っ!」

鍵を開けるなり
勢いよくドアを開けた萩原は
俺の胸ぐらを掴んで
靴を脱ぎかけた

けど

そこで萩原の動きがピタリと止まり
急に小声で俺に話しかけた

「入って大丈夫か?」

奥の部屋を伺う萩原は
エミのことを気にしてるみたいだった

「あぁ…服は着てるはずだ。
けど、デカイ声出すなよな
怖がるから」

「あぁ…」

なんだか間が抜けたように
萩原の勢いは収まり
俺から手を離して
靴を脱いだ

それから俺は
なんとなく気まずい萩原と
奥の部屋まで移動した

「エミちゃんが
しゃべんねーって
かぁちゃんが心配してんぞ」

「ん?…あぁ…」

「大丈夫なのかよ」

「何が」

「エミちゃんだよ」

「んー…」

「エミちゃんどこにいんだよ」


「え?」


トイレ…



いや

コンビニ……?


え?


「おい、カズマ」

急に心臓がバクバクし始めた俺は
急いでトイレと風呂のドアを開け
エミが居ないことが分かると
すぐに
玄関の靴を確認した


「おい、どーしたんだよ」


「居ねぇ…」


「はぁ?」


「エミが居ねぇんだよ!!」


俺はすぐにエミに電話をかけながら
エミの私物が入ってる引き出しを開けた


無い


貯めてる金……全部



くっそ

なんで
金がねーんだよ!


なんで
エミが居ねーんだよ!

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