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続・捨て犬
第20章 最終章④・・・着信

「カズマ、どうやって帰る?」
「そうだな…」
「もし駅に張ってたらヤバいから
レンタカー借りるか?
俺が借りてココまで迎えにきてやるよ」
「悪いな、ほんと助かるよ」
と、その時
ブルルルル…
エミの携帯が震えはじめた。
エミが硬く握りしめてる携帯を奪って
画面を見ると
電話の主は
凛さんだった。
エミが見つかったことは
みんなに知らせてるのに
急用か?
「はい、もしもし
カズマです。
今、エミはちょっと話ができなくて」
「あ、いいの。
カズマくんで問題ないわ。
いい知らせよ」
「いい…知らせ?」
「私の友人の前のご主人がね
とっても大きな会社の社長さんで
その会社には
もちろん顧問弁護士がいるの。
だから友人にお願いして
その顧問弁護士と連絡を
取り合ってもらったんだけどね
2、3回住民票を移せば
いいらしいわよ!」
「え?
友人の…弁護士?
2、3回?」
「そうなの!
もし万が一見つかっても
虐待の証拠さえ押さえれば
近づけないよう警察に訴えることは
可能なんだけど
エミちゃんはその一回さえも
父親に会いたくないんでしょ?
とーにーかーく!
婚姻届けを出す前に
住民票を2、3回移しておけば
かなりエミちゃんの行方を追うのは
厄介になるらしいの。
100パーセント見つからないって
訳じゃないと思うんだけど
効果的なんですって!
だから心配しないでって
エミちゃんに
早くそう伝えて欲しいの!」

