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1000文字で綴る男と女の物語
第21章 『運命の価値』
シティホテルのロビーに着くと携帯電話が鳴った。
彼からだった。
「ここですよ」
見回すと、笑顔で手を振っている男性が見えた。
想像してたよりずっと素敵な人だ。
とても同い年の35歳には見えなかった。
そのままホテルの最上階のレストランでランチに向かった。
初めて見る彼の笑い顔、そして初めて聴く彼の声。
今までメールのやり取りしかしていないけど、もう何年も前からの知り合いのような気がした。
お互い打ち解けた会話が楽しかった。
食事の後、彼が「もう少しだけいいですか?」と訊いてきた。
私はなにも言わず、うなずいた。
私もこのまま別れたくなかった。
レストランを出て、エレベーターに乗り、着いたのは下の階の客室。
手を引かれるまま、部屋に入った。
入った途端、抱きしめられた。
「あなたは想像していた以上に素敵な人だ」
唇が押し当てられ、舌が入ってきた。
それからは自分が何をしているかわらなかった。
何年か振りの男の人の感触。
あそこが恥ずかしいくらいに濡れた。
淡泊な夫とは違う、いつ終わるともない全身への愛撫。
自分でも驚くくらいの声を何度も発した。
やっと彼が私の中に入ってきたときは、今まで感じたことない快感に襲われ、更に彼が動き始めたときは、それだけで軽く何度もイってしまった。
動きながら彼が耳元で囁く。
「ああ、すごい気持ちいい……こんなのは初めてだ」
そして私の名前を何度も呼ぶ。
彼にしがみつく。
彼が更につぶやく。
「今日初めて逢ったのに、もう何年も前からこうしている仲みたいだ。もしかしたらあなたは運命の人かもしれない」
私も本当にそう思った。
私の身体と心は彼を無条件で受け入れ、上り詰めようとしていた。
激しく私を揺さぶる彼に請われるまま、そして、しまいには自分から「お願い、中に出して!」と叫んでいた。
次の瞬間、私の中を満たそうする彼の微動が始まった。
それは私を初めての絶頂に導いた。
彼が私の中から抜け出た後も、しばらく動けなかった。
「すごい良かったよ」
優しいキス。
この人だと思った。
この人が待ち望んでいた運命の人かもしれない……。
これで私は女として幸せになれる。
涙がこぼれた。
彼が優しく私の手を取る。
何かを握らせた。
「ごめん、最近の相場わからなくて……これでいいかな?」
手を開くとそこに、1万円札が2枚あった。

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