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1000文字で綴る男と女の物語
第46章 『痴漢の条件』
朝の込み合った通勤電車の中、今日も痴漢に遭った。
私はどうゆうわけか高校生の時からOLになった今でも何度も痴漢に遭ってる。
何か気を引くものがあるのかな。
大抵はお尻を触られるだけ。
でもトラブルに巻き込まれるのも面倒なので、いつも我慢してやり過ごしてきた。
今日もそんなことだろうと高をくくってたけど、でも今日の男は違ってた。
お尻を撫でていた手が、大胆にもスカートを捲り上げ、お尻の谷間から手を滑らすように入り込み、前の大事な部分まで指を差し入れてきた。
そこを指先で執拗に擦ってくる。
私は慌ててしまった。
え、なに……。
この刺激は……頭ではだめだと分かっていても、このままだと体が反応してしまう
それでも、声を上げるのはやっぱり出来ない。
車内の注目を浴びた上に、そのあとで駅員とか警察とかとの関わりのことを考えると、煩わしさの方が勝ってしまう。
我慢して、とりあえず乗り切ろう。
そう思い、気にしないようにして、違うことを考えるようにした。
でも、込み合って、手さえも動かせないでいる私をいいことに、その指は、私の敏感な部分を強弱をつけた一定のテンポで愛撫し始めた。
だめ……これは……。
一定のリズムで刺激を受けた私の身体は、そこから生まれる気持ち良さを受け入れようとしている。
だめよ……感じちゃ……。
身体が熱くなってきた。
声が漏れそうなのを唇を噛んで耐えた。
下着の上で動いた指先が、生地の隙間から中に入り込んできた。
濡れている感触がその指にも伝わったに違いない。
私の割れ目に難なく入り込み、指を縦に押し込んだままで手が前後する。
ぴちゃぴちゃと音がしない程度の微妙な速さで。
だめ……ああっ……。
長い指が奥に入り込んで中をぐりぐりとかき回す。
そんなこと……ああ……だめ、このままだとイってしまう。
私にはどうすることもできない。
あっ……イ、イっちゃう!
その時でした。
男の指が止まり、抜け出ました。
イク寸前だった私の脚は、芯がなくなったみたいになって、ぶるぶると震えた。
男の手が再び下着の中に入ってすぐ出て行った。
下着の中に異物があるのを感じる。
次の駅で降りてトイレに駆け込み、下着の中を覗き込むと、しみのついた生地の上に折り畳まれた紙切れがあった。
広げたそこには走り書きで、携帯電話の番号が書いてあった。
どうしよう……。
私の心は揺れ動いた。

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