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〇〇を教えて。。
第7章 なかなかウマくいかないみたい☆
〔さんぽみち〕という喫茶店。


カフェというよりザ・喫茶店である。




木の扉を押すとこれまた懐かしいカランコロンとベルが鳴った。



『____渚くん!』窓際、
奥の席で宗一郎が手を挙げた。
水色のシャツに、
麻のジャケット姿。


『藤代さん!
お待たせしてしまいました?』
時計を見ると10時45分。



『いや、
僕が早く着きすぎたのだ。
遠慮をしないでほしい』


向かい席に座る。



マスターらしき老人(90歳辺りに見える………)がよぼよぼと水を運んできた。

『ええと…………ブルマンで』
渚はとりあえずコーヒーを頼む。


『ぶるま………………あ~、ブルーマウンテンじゃね?』
マスターは納得し、
ニコニコ笑いながら『ごゆっくりお話下さい……』と下がってゆく。



妙に落ち着く喫茶店だ。
渚は肩の力が抜けた。


マンガ本や文庫本は雑然と散らばり、
床は板張りで歩くとガタガタ揺れる。


『____落ち着くだろう?
不思議に』
宗一郎がニヤリと笑う。



ドキッとした。


憧れの先輩が、
目の前で微笑んでいる。


『___ええ。
時間が止まってるみたい。
で、早速ですが……………
相談といいますと?』

渚は照れもあって、
商談口調に切り替える。





『…………………相談というか。
知りたいんだ、僕はそちらの方面には疎いから………。
君は風俗嬢を沢山見ているよね?』



『__はい。仕事柄もちろん。
それが何か………?』
渚は身構えた。



憧れの先輩から、
今の仕事の話をされるのは後ろめたい気分だ。



『自殺した、江名優月くんのことなんだ。
これを読んでほしい』
宗一郎はスマホをスクロールし、
瑠偉からのメッセージを見せた。



渚のメガネの奥の二重まぶたが、
みるみる見開く。


『……………………堕胎?
それが一要因……………』
意外なメッセージ文に驚いた。







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