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第19章 奈落の向こう側　

私「え！俺の境遇や性格も？」

妻「はい、たぶん私たちは条件に合った
夫婦だったんでしょう。
私は一つ、あなたに
隠し事をしていました」

私「株の事かい？」

妻「いえ、カウンセリングを
受けていた事です」

私「カウンセリング？」

妻「両親を交通事故で無くして
精神的に不安定な時期に」

私「そうなのか。知らなかった。
申し訳ない」

妻「あなたはお仕事が忙しい方なので
私の事で迷惑を掛けられないと思って
１人で病院に行ったんです」

私「水臭いじゃないか。
俺たちは夫婦だろ。
ご両親が亡くなった時の事は
よく覚えているよ。あの時、
気丈なお前に感心してた」