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汚くても醜くても生きている
第74章 冗談なんて嘘をついて
理由をつけて行ったホテル

冗談だからなんて抱きしめて
冗談なんて嘘をついて

少しだけ少しだけ
そう思っていたのに
冗談だからなんて嘘を付きながら
歯止めが利かなくなって

彼女の肌が温かくて
彼女の肌が柔らかくて

冗談じゃないよね?
なんて彼女は勘づいて

だけど私は冗談だからと嘘をついて
一度だけだからなんて弱気になって

だけど幸せな時間で
冗談だからなんて嘘をついた
忘れられない思い出

彼女と行ったホテル
抱いているのは別の女(ひと)

なのに私が思い浮かべるのは
人のものになった彼女のこと

別の女(ひと)の声を聞いて
抱きしめて

冗談なんて嘘をついた
だけど冗談じゃない

私は今でも
彼女が好き

あの時に言えば良かった
あの時 本当は両想いだったのに

やり直せるならもう嘘をつかない
ううん きっとこれも嘘

「好きだよ」
別の女(ひと)に嘘をついた

涙が一筋零れ落ちた

あぁ ホントに冗談じゃない
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